多忙さのアピールは何の得があるのか

仕事をしているフリをしてる人ってちらほら見かける。そういう人は周りに気づいてもらうべくアピールが大げさなのでわかりやすい。でもこのアピールは「周りよりも忙しい」≒「出来る人」アピールする人にも見られる。

わざわざ声に出して「うーん」と考え事をしたり、ため息をついたり。周りよりも遅くまで残業したり、休日出勤してる事をアピールするべく、そういった時間に普段なら送らないような内容のメールを捻出してみんなに送信したり。


どういう理由あれ、そういったアピールというのは大抵の場合、当人にとっても、周りにとってもよろしくない。特に後者の忙しさアピールというのは、多くの仕事を任される程にみんなよりも優秀である事のアピールであったり、自分だけが特に苦労しているという同情を誘うアピールであったり、さらには忙しそうにピリピリした感じなどから、周りとしては「すごーい!」「かわいそう・・・」などと思う以前に「居心地が悪い」「係わり合い辛い」という気分にさせられるケースの方が多い。

はっきり言ってしまえば、周りの人はそのアピールに秘められた下心を想像以上に見抜いている。見抜かれている以上は、そのアピールはむしろマイナスにしか働かず、どんどんと損している事になる。実際そういうのに疎くて見抜けない人も多いかもしれないけど、そういう下心を隠し通せた時に得られるモノの大きさよりも、見抜かれていた時に失うモノの方が遥かに大きいと思う。

また本当に忙しいとしても、忙しそうにガツガツしてる人というのは話しかけ辛いし、周りの空気すらもピリピリと悪くなる。忙しくともそういう雰囲気を出さない方が印象が良い。上述の通り、周りは想像以上に見抜いているもので「忙しいのに忙しそうに見せない努力をしている」という事も見抜いている事で、ガツガツと忙しそうにアピールしているよりも明らかに高評価される。何せ「忙しそうに見せる演技」はちょっとでも下手だと大きなマイナス印象を与えるけど、「忙しいのに忙しくみせない演技」というのはちょっとくらい下手さが残ってしまっていたとしてもプラス印象となるのだから。もちろん計算のように見せないように自然な感じに振舞えたほうがベストであるが。


こういう事を当人は見直してくれた方がベターではあるけれども、しかしそういう人に対してこれらを指摘するのは難しいし、危険であると思う。恐らくこの手のタイプの人はプライドが高い人が多いでしょうし、そもそもそういう事でモチベーションを保っているタイプのケースが多いでしょうから、急にそれを折られると今より仕事をしなくなってしまいかねない。もしも周りに対して迷惑になっていなかったり、許せる範囲であるならば、そっとしておくのも一つの手だと思う。