非純正品を使うことのリスク

最近、非純正品による不具合でメーカーとやりとりをした事で、この機会に非純正品についてつらつら書きたい。


【非純正品とは】
非純正品とは、ある製品に取り付ける部品を、製品とは異なるメーカーの部品を使うこと。例えばプリンタであればインク、カメラであればレンズを他社が出していたりする。


【非純正品の魅力】
非純正品というのは大抵の場合、純正品よりも安価に販売する事を目的に開発・製造しているケースが多い(それ以外のケースは後述)。


【非純正品のリスク】
非純正品を使うことのリスクは大きく以下の2つが考えられる。使う際にはこれらを納得の上で使わなければならない。

  • 純正品に比べて品質が劣る
    • 例えばプリンタ+インクの場合、純正品の場合は自社プリンタ向けに最適化されたインクを製造できるのに対し、プリンタの内部仕様を把握していない他社にとってはそれ以上のものを製造するのは難しい
    • また安価をウリにする分、コストもかけられない為に純正品に品質が及ばない等
  • サポートをフルに受けられない
    • 非純正品を使っていて問題が起きた際に、フルサポートを受けられないケースがほとんど


【今回自分がフルサポートを受けられなかったケースの話】
カメラ+非純正レンズにおいて操作不能になる問題が発生し、カメラメーカーに事情を説明して修理を求めたところ、メーカー側で再現を目指した検証を行い、再現すれば修理できるが、非純正レンズはサポート外のため受け取れないので、カメラ単品をお送り下さいとの事で、結局カメラ単品での検証結果は再現せず問題無しとして返却された。

今回の件は非純正レンズの影響が濃厚だけど断言は出来ない。しかし本当にレンズの影響だとしたら、このサポート体制である以上は問題はずっと残り続けることになってしまう。もしも同症状が多くのユーザーの間で頻発でもすれば、さすがにメーカー側も特別対応に動くかもしれないけど、どうも今回の現象はネットでは挙がってなさそうなので、期待は出来なさそう。


【非純正品は安価目的だけとは限らない】
例えばカメラのレンズの場合、純正品群ではカバーしていない機能・性能を持たせているものもある。それによって、よりカメラを引き立てる存在となっている非純正レンズも少なくない。

非純正品はフルサポートをしないメーカーの事情はわかるけど、敢えてユーザー側のわがまま的な心情を書くと、不具合が起きた際にフルサポートを受けられない目に遭う責任は、「安価」を理由に買ったのだとしたら自分のせいとして納得できるのだけど、上述の純正品群では力不足である為に非純正品を選ばざを得ないケースの場合、力不足なカメラメーカーのせい、とは言わないけど、心情的にそんな感じのモヤモヤ感が残る。

カメラメーカーとしても、そのような素晴らしい非純正レンズによって、カメラの売り上げが伸びているケースだって少なからずあるわけだし、メーカー同士で協力して品質向上を目指してほしいものです。


【非純正という言葉で片付けて良いのか】
カメラレンズの場合、例えばタムロンやシグマなんかが、キヤノンニコンのカメラ向けのレンズを出している。これらのレンズを「非純正(メーカー)のレンズ」という人もいれば、「レンズメーカーのレンズ」という人もいる。どちらも言葉としては全く間違っていないけど、前者は相性問題がある可能性や、フルサポートされない事を暗に示唆する意図が含まれた表現だと思う。この記事では要点をはっきりさせるために「非純正」という言葉を多用したけど、普段は後者のイメージで見たいものです。