tanomi.comは本当にサービスを終了して良いのか

11年間運営されてきた「tanomi.com」がサービス終了らしく、その理由としては「現在はメーカーが独自にインターネットを活用し、消費者ニーズを直接商品開発に反映させることが一般的となっている背景から、tanomi.comは一通りの役割を終えたと判断」との事なのですが、本当にそうだろうか?と思う。

実際には終了したい理由が別にありそうな気がしないでもないですが、それは置いといて、tanomi.comの存在意義やメーカー側の姿勢など、消費者ニーズを掬う事において、どういう形がより皆がハッピーになれるのだろうという事を考えてみる。


終了理由として挙げられた「現在はメーカーが独自にインターネットを活用し、消費者ニーズを直接商品開発に反映させる事が一般的になってきている」という点から考えてみる。

自分の印象としては、実際にはそういうアンケートページのようなものを設けているところは稀な印象であり、消費者側の一般的な印象も似たような感じではないだろうか。アンケートページに限らず、「消費者のニーズを積極的に耳を傾けて検討する姿勢を持ってますよ!」というアピールがされているか否かという意味を含めても同様な印象。

実際にアンケートページが設けられているかの事実に関係なく、一般的に「設けられていない」印象の傾向があると、消費者は「どうせアンケートページなんてないだろうし」「どうせ投稿しても採用(検討)してもらえないだろうし」という感じでニーズを伝えようという風に思わなくなるわけで、メーカー側も「アンケートページを設けても投稿されない」→「わざわざ設けるのは損」となり、活発な活動が行われないという循環となりそう。

そうならないためには大半のメーカーがそういう姿勢を見せて、消費者側がメーカー問わずに、ホームページに行けば「ほぼ確実に」窓口があり、積極的に検討してくれるもの!という印象を植え付けないといけない。でも各メーカー様々な事情があるので、そんな事にはとてもならない。

そこでその問題を解決する可能性を秘めているのがtanomi.com。とはいえ現状のtanomi.comが商品化&販売をする形態よりも、集まった投票を署名としてメーカーに伝えるのみの橋渡し的存在に留めておいた方が良いような気がする。現状だと投票が集まってもメーカーが実権を握れないなら却下するケースも多いんじゃないかと。tanomi.com自体はうまく回りさえすれば広告費だけでも相当稼げるだろう。

で、消費者はそのtanomi.comの存在一つ知っていれば、メーカー(の姿勢)問わず、ニーズ投稿の窓口が確実にある為、投稿しよう!という気になりえると思う。システム的には多量のニーズが無いと報告されないが、少量だと報告されても却下される可能性が高い事は大抵の人が理解しているだろうし、多量のニーズ案件だけがメーカー側に届くのであれば、メーカー側も手間を最小限に抑えられるというもの。それに多量のニーズであればニーズを積極的に求める姿勢ではなかったメーカーも考え直す事が期待できる。
ちなみにtanomi.comの良い点の一つに、消費者側にもニーズの量がわかるという点がある。「自分一人がメーカーに伝えてもどうせダメだろう」というのが、「こんな多くの人が求めてるならメーカーもさすがに考えてくれそう!自分も1票投じよう!」という心理に流れる事となる。

ただし現状としてはtanomi.comは誰でも知ってるという程の知名度は無いだろうし、投稿しても本当に実現する可能性は低いだろうしと思って諦めてしまう人もいるだろうから、メーカー側も積極的にtanomi.comに協力するような姿勢が必要そう。そうすれば投稿者も増え、メーカーもより多くの情報が集まり、みんなにとってハッピーとなると思う。

デメリットとしては極々少数からしか意見が出ていないけど非常に重要なニーズというものが掬えない。そこはメーカー側の任意で自らtanomi.comの投稿一覧を見に行って、少数案を抽出するような事をしてほしいところ。それに非常に重要なニーズというと、大抵問題点に対する指摘に近いものだろうから、消費者もそれを判断してサポートの方へ連絡するのが良いと思う。