Webサービス「Tumblr」の魅力や問題点

長いこと愛用としているTumblrについて、魅力や問題点などをつらつら書いてみる。


Tumblrとは何か
Tumblrとはブログサービスであり、アカウントを取得して得られるブログスペースに記事として情報を発信するもの。通常のブログサービスと異なるのは通常のブログに加えて、下記の要素を持っている点。これらによって一般的なブログとは異なる使われ方をしており、Tumblrの魅力ともなっています。

  • フォロー機能

Twitterのフォローと同じようなもので、いわゆる「購読」機能の事です。気に入ったTumblrユーザーが管理しているTumblrのブログ(Tumblelogという)をフォロー(購読)する事で、自分のTumblrの管理ページ(Dashboardという)にて、フォローしている方々の投稿記事をまとめて閲覧する事ができるようになります。
「記事を読む」という点に関しては、各々のTumblelogに訪問して読むのではなく、基本的にこのDashboardをひたすら眺めるのが一般的です。

  • Reblog機能

上記の通りDashboardなり、他者のTumblelogを閲覧中に、気に入った記事があるとします。この時、記事に取り付けられている「Reblog」ボタンを押すことで、その記事をリンク付きで丸々自分のTumblelogにコピー(投稿)する事ができます。これにより複雑にフォローしあったTumblrユーザー間で、一つの記事がReblogされていって広まって行きます。

  • 引用ツール(共有ツール)

あらゆるサイト上(Tumblrと無関係のサイトでも何でも良い)のテキストなり画像なり動画を、自分のTumblelogに手軽にコピー(投稿)するツールがTumblr公式にて用意されています。使い方としては、気になる箇所を選択して、ボタンをポチっと押せば投稿される感じです(公式のものは投稿までに数手間かかりますが、Firefoxアドオンとして様々作られているTumblr向けツールを使えば、それこそボタンひとつでサクっと投稿できます)。
例えて言えば、雑誌などで気になった部分を切り抜いてスクラップブックにどんどん放り込んでいき、後でスクラップブックを見返す事が出来る感じです。このスクラップブックが自分のTumblelogとなります。基本的には引用元のリンクも添えられるので、とりあえず特に興味が惹かれた一部分なりを引用投稿して、後々全文を読みたくなったらリンクをたどってサイトにて読むという使い方が一般的です。

引用と書きましたが、公式では「Share」という呼び方をしており、上記のReblogによる伝染もあって、情報を共有していく狙いの機能と言えます。このReblogとShareがある事で、Tumblrというブログサービスの使い方は、自分で記事を書いて投稿するというケースはむしろ希少で、ほとんどのユーザーはReblogとShareによって他サイトの情報をコピー投稿する使い方をしています。
もちろん自分で1からブログ記事のように書いて投稿もできますし、またReblogやShareの際に、自分なりのコメントを添えて投稿するという使い方もできます。


◆魅力

  • 未知なる自分のツボの発見

ここまでで各々個人個人が自分の興味のあるものを集めていくものというのがお分かり頂けるかと思います。人の好みは人それぞれで、集めて行く記事も個性が出てくるものです。中には自分の好みが似ているユーザーも見つかり、このユーザーをフォローしておくことで、まさに興味ある記事ばかりが勝手に集まってきます。それだけでなく、似た好みの人が、自分の知らないジャンルを投稿してくる事もありえるわけで、これがまた未知なる自分のツボの発見に繋がる事もあります。

  • Tumblrでもコミュニケーションは存在する

前述のように投稿される記事には個性が出るものです。しかし自分で文章を書いて新規投稿するユーザーは少なく、これではコミュニケーションはないのではないかと思いきや、そうでもありません。ShareなりReblogなりする際にコメントをする事もできます。例えば「この写真はめちゃくちゃ好みです!」とか添えてもいいですし、「このサイトで言及されている事は自分は反対。何故なら...(略)」等と自分なりの見解を書くケースもあります。
そしてReblogにReblogが重なっていくうちに、その度に添えられるコメントの繋がりで会話になるケースも珍しくありません。
単に気になる情報を集めるのも良いですが、気になった心境なり見解をちょこっとでも添えてみるのも面白いと思います。


◆問題点

  • Tumblrの魅力は外見だけではわかりづらい

外見というのはTumblelogの事です。他者のTumblelogは通常のブログのようにアカウントが無くとも閲覧することが可能です。これだけ見れば単なるブログサービスとそう変わりません。
しかし本当の魅力はアカウントを取らなければ使用できないDashboardの方です。
多くのTumblrにハマっているユーザーが皆そうであるように、Tumblelogの方はむしろほとんど見る事はありません。閲覧は全てDashboard上にて。このDashboardの中で、フォローしている相手ユーザーが投稿している記事を閲覧していき、気に入った記事があればサクサクポチポチっとReblogしていきます。

TumblrというWebサービスを紹介しているサイトの中には、Dashboardに全く触れていないものも見られ、誤解を持たれる方もいるのではないかと思います。Tumblrが気になっている方は何はともあれアカウントを取得して、適当に人気のTumblrユーザーをフォローし、Dashboardを眺めてみる事をオススメします。またTumblr用のアドオンが特にFirefoxに充実しており、これらを使うことで閲覧やReblog等が飛躍的に快適なものとなります。面白そうではあるけど手間がかかるから辞めとこうかなと思った方は、その前にアドオンの使用も検討して頂くことをオススメします。

  • 投稿された情報が誤った形でTumblrユーザーに広まっていく

TumblrなりWebに限らず、噂というのは時には形を変えて伝染していく事があります。これには途中の人が間違った解釈をしてしまったり、伝える際に尾びれが付いてしまったりなどのケースがあります。
TumblrはReblogして情報が広まっていくサービスです。でも内容をコピーして投稿するのだから、間違った解釈や尾びれの不安はないのでは?と思えますが、そうでも無いのです。

一つにコピー投稿(Share)する際の内容は書き換える事は可能であり、添えられるリンクも外すことが可能です。これにより元のページで事実確認するのも難しくなります。このような悪意を持った行為をしている人はほとんどいないと思いますが、可能であるのは確かです。

もう一つは投稿者が悪意がなくても起こりうる問題です。一般的にページ上の文章をコピー投稿(Share)する場合、フォローしてくれている人や後日自分で見返す場合のために、一目でその記事の魅力が伝わるよう、長い記事全文をShareするのではなく、ポイントとなる部分だけをShareされる傾向があります。これに興味を持った人はサイトへ飛んで詳細を読むわけです。上記の通り、このShareする文章を手を加えずにそのまま投稿したとしても、時としてその部分的に切り取ったテキストだけでは、サイト上で読者に訴えかけている趣旨とは異なってしまうケースもありえます。
極端な例では、サイト上にて衝撃的文章が書かれていて、この衝撃的文章をShareしたとしても、実はサイト上の最後に「※これは全て作り話です。」と書かれていたら、Tumblr上だけで見るに留めた方々には事実情報として読まれてしまうわけです。

Shareする場合、フォローしてくれている人のためにも、誤解を与えるような切り取り方をしないように注意してみるのも良いかと思います。

今日はこんな所で。