3D映画を見てきての感想

3D映画バイオハザードIVを見てきたので、その3Dに関する感想をつらつらと書きたいと思います。


昨今の3Dブームにおいては3D作品鑑賞は初体験で、残像が気になりそうとか、画質が落ちてそうとか思っていたのだけど、実際見てみた感想としては3Dは想像以上に良いもので「あぁ、これは3Dが当たり前の時代になっていく可能性は高そうだ」と思えた程だった。

ただ、やはり人それぞれでしょうが、目が疲れたり、酔ったりします。周りの観客からも、映画が終わった後に「早々酔った」「軽く頭痛い」というような声も聞こえました。これに関する原因の予想は後ほど。

また、3Dシステム(撮影方式、メガネ、投影などの3D技術方式)はRealDやDolby 3Dなど色々あり、その一つの3D映像方式(映画館)をとっても、作品ごとに映像ソース側の撮影機材や技術によってクオリティに差はある感じ。本編以外にCM等もあったので比較出来たのだけど、十分と思う映像もあれば、残像が酷いものなどもあったり。この辺りの技術が進化してくれば、酔いづらくなったりなどして、現時点で「3Dは自分には合わなかった」と思った人の考えも変わりうるのかも。


ちなみに今回はワーナー・マイカルのRealD方式。メガネが軽いメリットはあれど、角度や首の傾きだけで残像が出るデメリットを持つという事前情報を持っていたものの、真正面で見た感じでは傾きによる残像はわからなかった。まあ常に多少の残像は見えてしまっていたのだけれども、それも物語に集中していると気にならなくなった。


◆3Dの魅力とは◆

かつての赤青メガネの頃から3Dの魅力というと「飛び出す」という印象を誰もが持っているかと思います。もちろん昨今の3D映像も迫力ある「飛び出す」映像を演出する事はできますが、個人的には魅力はそれ以上に「奥行き感」や「物体の立体感」にあると感じます。

奥行き感によってリアルな空間を感じることができ、そこから映像の中で「空気」まで感じられるような気がします。例えばジェットコースターの先頭に座る人の視点映像なんかは2Dと比べてだいぶ迫力が違い、本当に落下する感覚が味わえました。

また物体の立体感を感じられる事で、その質感までも頭の中で無意識にイメージでき、そういう所からも今までにない「迫力」を感じる事ができると思います。


◆目が疲れる、酔う理由の予想◆
それは眼がピント合わせを頻繁に行なって疲れるからではないかと思いました。

奥行きある絵が表示されるわけですが、当然カメラで撮影された時点でピントは決まっています。例えば奥にピントが合っていれば、手前に表示されているものはぼやけている。
しかし2Dと違って立体的に見えるせいで、手前の物体を見ようとすると、眼はその物体にピントを合わせようと試みてしまい、しかしそんな事をしてもピントはあわないために、眼は無駄な努力をしてしまい続ける。これが眼が疲れる原因じゃないかと思います。

今回の映画本編前にCMで「海猿」が流れたのですが、CM開始早々にキャッチコピーがデカデカと表示される周りに、立体的に水中の泡が迫ってくる映像でした。これが流れたときに無意識に迫ってくる泡などに眼の焦点を合わせようとしてしまったようで、一瞬混乱しかけました。意識してキャッチコピーに焦点を合わせようとしなければ、酔ってたかもしれないなぁと感じるほどに。
この辺りは映像制作者側がテストの上、調整してほしいと思うところ。

まあ3D映像に慣れてくれば「眼の無駄な努力」もしなくなっていくんじゃないかとも思いますが。


◆3D技術が分かれている事に対する懸念◆
3D作品は前述通り、RealDやDolby 3Dなどのように3D技術は複数あり、特徴を見てみるとそれぞれメリット、デメリットあって、これが一番と万人に勧められるような感じではない様子。

そして撮影の時点で特定の3D技術向けに撮影されたりなどとしているものらしく、まあ映画館で見るのであればそれに対応した映画館に行けば、理想的な状態で見ることが出来るでしょうが、しかし問題はBlu-rayなどの家庭用メディアになった際、作品ごとに自宅の3Dテレビが合っていない場合もあるでしょう。推奨環境でなくてもそこまで大きくは変わらないでしょうが、この辺り、ユーザー側的には一本化されてほしいものです。



余談ですが、バイオハザードIV本編の開始直後は雨が降っている映像の中にクレジットが一つ一つ表示されるのですが、雨やクレジットまでもが立体感を持って表示されており、そこで本来存在していないクレジットにも雨があたって弾くような細かい演出が仕組まれていて、ちょっとした感動を味わいました。
これから見に行く方はチェックしてみてください。